シベコン

シベリウスヴァイオリン協奏曲 Vn.ヒラリー・ハーン東京文化会館大ホール 主催:都民劇場

ここで東京文化会館を読み飛ばして都民劇場だ,と考えていた俺は馬鹿すぎる.前プロは聞けなかったが間に合ってよかった.

ハーンは一音一音をとても丁寧に弾いていた.テンポはやや遅めではあるが,とても色彩豊かな音が素晴らしい.恐らく演奏ごとのムラはあまり無いんだろう.安定感が抜群.
よく知っている曲を他の演奏者で聴くのはとても楽しい.その差分はすぐにわかるから.シベコンは3年前くらいにオケがやった曲だ.俺は乗っていなかったが,毎回代弾きのSさんが弾くのを楽しみにしていた.
1楽章1弓連続スタカートを途中で返していたり,3楽章冒頭のボウイングでのDownDownDownをUpDownUpで弾いていたり,と記憶と違うところは多少あったが,まあ譜面見たこと無いからどちらが普通か知らないんだけど,全く違和感なく弾くのは驚いた.プロはそんなことも余裕ですか.連続スタカート途中で返すとか,何のために連続スタカートにしているのかわからない.
アンコールはバッハの無伴奏バイオリンパルティータ第3番ホ長調 2.Loure.CDに入っている1曲.
バッハ無伴奏のCDは何十回と聴いていたから,ハーンが弾いている音を本当に聴いていたかどうかわからない.頭の中でCD再生されてただけかもしれない.
アンコール前には「バッハの、Loure、です。」と日本語で言った.

シベコンのCDを買う.

今までの正面を向いた構図ではなく,横を向いている.まあそれはいいが,下手糞だ.CD裏の写真はさらに下手糞だ.俺のほうがもっと良い画が撮れるぞばかやろう.と思ったけど,ブックレットには結構良く撮れた写真が載ってた.


メインはベトベン7番.
いろいろなものが見えてくる.発見とは喜びだ.発見の無い人生など死に等しい.
まあそれはともかく,ベト7てこんな曲だったけ.とか思った.編成が大きくなく曲もわかりやすいせいか,全部の音が聞こえてくる.曲がどのように動いていくかが面白いくらいわかる.
1楽章,初めは単調なリズムのスケールを基調として動いているが,途中からリズムががらりと変わる.以後このリズムが終曲まで現れる.わけはないね.
2楽章,やや遅いテンポで演奏された気がする.
途中で何故クラシックを聴くのか,という方向に思考が.大きい音に酔いしれたいならエレキ楽器を用いた曲を聴けばいい.バンドでは4人でフルオケより十分大きい音が出る.しかし単調な嫌いはある.単調なテンポに単調なダイナミクスに単調な歌.バンドの曲等はクラシック曲をわざと単調に(もしくは規格化)することによって敷居を下げたのだろうか.間口を広げることは,より多くの人に聴いてもらえることを意味する.HPは難解で作り辛いが,blogのように規格化することによって多くの人に受け入れられたように.
まあとにかくクラシックはフォルテが楽しいわけではないと思う.ダイナミクスレンジの広さとか.
そろそろ書くのが面倒になってきたが,エレキ楽器を用いた曲を作っても面白いかもしれない.フルオケに2本ずつエレキバイオリン,ヴィオラ,チェロ,コンバスを加えることにより弦のフォルテをより大きくすることが出来る.
4楽章,やや速めの演奏.この楽章は繰り返しが多くてしつこいと気付く.しかし最後のコンバスのEEsEEs..はいいなあ.