ああ、夢だなこれは。直ぐにわかった。気がした。おれがその事実に気づいたところで、自由に動けるわけではないけれど。
というより実際は、おれがただ「これは夢だな」と呟いただけだ。願望に過ぎない。
周りには茶色い机が並んでいる。床に固定されているやつだ。座る部分はひとつ後ろの机に固定されている。おれはこの机とイスに土足で上がるやつが何故いるんだろう、と前から疑問を持っていた。どこぞの後輩が授業中、机にほっぺたをつけて寝たりするだろうに。
おれは右の島の前から2列目あたりにいた。後ろを向いて。


おはよう、と話し掛けてみた。実際には昼だったのだが。
おはよう、と返ってくる。特にこわばった動作は無い。
だいじょうぶ、と聞いてみる。内心喜びながら。
まあね、


願望はかなった。
俺は壊れたかった。